会陰部より発生した近位型類上皮肉腫の1例

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タイトル別名
  • A CASE OF PROXIMAL-TYPE EPITHELIOID SARCOMA OF THE PERINEUM
  • 症例報告 会陰部より発生した近位型類上皮肉腫の1例
  • ショウレイ ホウコク エインブ ヨリ ハッセイ シタ キン イガタルイ ジョウヒ ニクシュ ノ 1レイ

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抄録

31歳, 男性. 急速に増大する会陰部の無痛性腫瘤を自覚し受診した. MRIにて, 長径3.5cm大の会陰部の傍尿道腫瘍と両側鼠径リンパ節腫大を認めたため, 直ちに腫瘍摘除術および鼠径リンパ節切除術が施行された. 免疫染色を含む病理組織学的検査にて類上皮肉腫と診断された. 術後局所再発および後腹膜リンパ節転移に対して放射線療法, 化学療法, 経皮的マイクロ波凝固療法をおこなったが, これらの集学的治療に抵抗性で, 術後14ヵ月で死亡した. 類上皮肉腫は悪性軟部腫瘍の中で0.9%を占めるまれな腫瘍であり, 前腕・手指をはじめとした四肢末梢に好発する. 外科的切除後の局所再発・遠隔転移が多く認められ, また放射線感受性が低く, 有効な化学療法も確立されておらず予後は不良である. 本症例のごとく体幹や大腿などの近位部に発生する類上皮肉腫は近位型に分類され, 四肢末梢に発生する遠位型にくらべ明らかに予後不良とされている. 会陰部発生の近位型類上皮肉腫の文献報告はまれで, 本症例は本邦4例目にあたる.

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参考文献 (12)*注記

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