赤坂御用地に移入されたタヌキの病理解剖学的検討 Pathological Examination of a Raccoon Dog Introduced to the Akasaka Imperial Gardens, Tokyo, Japan

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著者

    • 遠藤 秀紀 Endo Hideki
    • 国立科学博物館動物研究部:(現)京都大学霊長類研究所 Department of Zoology, National Science Museum(:Present address)Primate Research Institute, Kyoto UniversityJapanese Society for Preservation of Birds
    • 林田 明子 Hayashida Akiko
    • 帯広畜産大学家畜解剖学教室 Department of Veterinary Anatomy, Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine
    • 上塚 浩司 Uetsuka Koji
    • 東京大学大学院農学生命科学研究科獣医病理学教室 Department of Veterinary Pathology, Graduate School of Agricultural and Life Sciences, The University ofTokyo

抄録

赤坂御所においてタヌ牛の死亡個体を収集,病理学的検討を加えたので報告する.収集されたタヌキは死後5日から1週間程度経過したものと推察され,毛皮の鮮度は落ちていて標本化は困難であった.頭部背側に皮膚から筋順に達する大きな損壊が見られた.おそらくハシブトガラスによる食害痕と思われる.腹腔,胸腔に腹水,胸水の貯留は見られず,腹腔内壁,胸腔内壁に,炎症などの病変は見られなかった.消化管は全体に正常であったが,十二指腸部に顕著な赤変部が確認された.比較的重い出血性炎症を起こしていたものと推察される,肝臓,脾臓には病変は見られず,腎臓は割面からの観察でもきれいな三層構造を維持し,漿腹面下の状態にも異常はなかった.胸腔では心臓において左右両心室に拡張が生じ,心室壁が薄く変化していた.肺は各葉とも正常だった.このように,全身症状を推察されるような病理学的所見は見られず,直接の死因が確定できるものではなかった.しかし,十二指腸と心臓の病変は無視できるものではなく,この両臓器の変化が個体の健康状態に影響を与えた可能性は指摘できる.今後本個体から得られた遺伝学的材料から,赤坂集団の起原が確認されよう.

収録刊行物

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    110004709001
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00379635
  • 本文言語コード
    ENG
  • 資料種別
    特集
  • ISSN
    00824755
  • NDL 記事登録ID
    7755180
  • NDL 雑誌分類
    ZU19(書誌・図書館・一般年鑑--学術一般・博物館)
  • NDL 請求記号
    Z21-208
  • データ提供元
    NDL  NII-ELS 
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