液体培養による紅麹菌のカルボキシペプチダーゼの生産

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  • Production of Carboxypeptidase by Monascus purpureus in Submerged Culture

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抄録

カルボキシペプチダーゼは、タンパク質やペプチドのカルボキシル末端からアミノ酸を順次遊離する酵素である。紅麹菌(Monascus属カビ)は、中国では紅腐乳や紅酒、沖縄ではとうふようの製造に古くから使用されてきた食品微生物である。我々は、これまでにとうふようの食品科学的特性を明らかにしており、本発酵食品のアミノ酸系呈昧成分の生成にカルボキシペプチダーゼが重要な役割を演じていると考えられる。本研究では、とうふよう製造および呈昧形成に重要であると考えられる紅麹菌の生産するカルボキシペプチダーゼに着目し、本酵素活性の高い優良菌株のスクリーニング、本酵素生産の培地の組成と培養条件の確立を目的とした。まず、紅麹菌28菌株を用いて、カルボキシペプチダーゼ高生産菌株の1次スクリーニングを行い、本酵素活性が高い6菌株を選択した。次に、2次スクリーニングを行い、本酵素活性及び菌体生育の最も良好なMonascus purpureusIFO4478をカルボキシペプチダーゼ高産生優良菌株として選択した。続いて、本菌株を用いてカルボキシペプチダーゼの最適生産条件を調べた。その結果、本酵素生産の最適培養組成と培養条件は次のように設定した。(1)培地組成:グルコース1%(w/v)、分離大豆タンパク質2%(w/v)、MgSO4・7H2O 0.5% (w/v)、 KH2PO4 0.5% (w/v)、ミネラル溶液A、B and C各0.1% (v/v)及び培地の初pHが6.0、(2)培養条件:28℃、150rpm、6日間振とう培養。

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