胸腔鏡下縫縮術を施行した横隔膜弛緩症の1例

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  • Thoracoscopic plication for diaphragmatic eventration : A case report

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抄録

症例は75歳女性,食後の上腹部痛と安静時呼吸困難を主訴に当院を受診した.入院時の胸部レントゲンで左横隔膜位が第8肋間まで挙上しており左下肺野に無気肺を認め,CTでは横隔膜全体が挙上していたため横隔膜弛緩症と診断した.症状も強く本人の希望もあり手術を予定したが,呼吸状態が悪く高齢でもあり開胸を避けるために鏡視下手術を選択し,脆弱化した横隔膜は鏡視下手術用自動縫合器で切除した.胸腔鏡操作での横隔膜縫縮を行う際,腹腔鏡下観察も併用することで他臓器損傷をすることなく安全に手術することができた.術後のレントゲン写真では横隔膜位が下がり食後の腹痛は消失して呼吸困難も徐々に改善し退院となった.現在まで再発を認めずに外来にて観察中である.本術式は高齢者でも安全に行うことが可能であると考えた.

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