象皮病患者には何故血中に仔虫が検出されないか
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抄録
パンクロフト糸状虫やマレー糸状虫感染者は治療を受けなければ,長年末梢血中にミクロフィラリアが検出される。流行地で住民の血液検査を行なうと,50才以上の人々のミクロフィラリア陽性率は高い。しかし大人になると慢性症状,上下肢の象皮病を呈す患者の数も増す。象皮病患者は,興味あることに,末梢血中にはミクロフィラリアが検出されることはほとんどない。象皮病の発症機序を説明する2つの有力な説として,死滅糸状虫成虫によるリンパの流れの障害と細菌感染が古くからあげられていた。近年ブラジルで,患部を清潔にすると象皮病が予防できることが発表されて以来,細菌感染による象皮病の発症機序が論じられはじめた。我々は細菌感染が糸状虫成虫またはミクロフィラリアに何らかの作用を及ぼし,成虫が死滅し,リンパの流れの障害を原因するとの仮説のもと,糸状虫と細菌感染の相互作用を追及することにした。
収録刊行物
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- 長崎大学熱帯医学研究所共同研究報告集
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長崎大学熱帯医学研究所共同研究報告集 17 29-30, 2005
長崎大学
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1571980076908289664
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- NII論文ID
- 110004722709
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- NII書誌ID
- AN10391375
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles