2‐ニトロフェニルヒドラジド誘導体化による中鎖脂肪酸の高速液体クロマトグラフィー/質量分析法

書誌事項

タイトル別名
  • High-Performance Liquid Chromatography/Mass Spectrometric Analysis of Middle-Chain Fatty Acids by 2-Nitrophenylhydrazide Derivatization
  • 2-ニトロフェニルヒドラジド誘導体化による中鎖脂肪酸の高速液体クロマトグラフィー/質量分析法
  • 2 ニトロフェニルヒドラジド ユウドウタイカ ニ ヨル チュウ サ シボウサン ノ コウソク エキタイ クロマトグラフィー シツリョウ ブンセキホウ

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抄録

本研究では,中鎖脂肪酸の定量を目的として,有機酸や短鎖脂肪酸の高速液体クロマトグラフィーに用いられてきた2-ニトロフェニルヒドラジド(2-NPH)誘導体を適用し,液体クロマトグラフィー/質量分析(LC/MS)法による分析を検討した.この際,反応の収率向上と操作の簡略化をねらって,電子レンジ(600 W,10秒)を用いたところ,1.2~1.5倍の収率向上が観察され,固相抽出法との併用で誘導体化が大幅に簡略された.固相抽出による分析前処理について検討したところ,MSイオン源を汚染すると思われる成分を十分に排除し,中鎖脂肪酸2-NPHを回収する条件を確立した.これら2-NPH誘導体を正イオン化モード及び負イオン化モードで分析したところ,正イオン化モードでは明瞭なマススペクトルを得ることができなかったが,負イオン化モードでは [M-H]イオンを分子関連イオンとして,非常に明瞭なマススペクトルを得ることができた.コーン電圧の最適化を図り,中鎖脂肪酸2-NPH混合試料を分析したところ,鎖長ごとに保持時間の異なるマスクロマトグラムを得ることができた.これらの条件を用いて柑橘類の果皮汁を分析したところ,C6及びC10の中鎖脂肪酸の存在を確認することができたことから,中鎖脂肪酸2-NPH誘導体化法によるLC/MS法の有効性が示唆された.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 55 (4), 223-228, 2006

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (20)*注記

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