Jatene 術後肺動脈分岐部狭窄に対する balloon 拡張術に起因する traumatic AP window の1治験例

• 中村 賢

  東京慈恵会医科大学心臓外科

• 森田 紀代造

  東京慈恵会医科大学心臓外科

• 黄 義浩

  東京慈恵会医科大学心臓外科

• 木ノ内 勝士

  東京慈恵会医科大学心臓外科

• 橋本 和弘

  東京慈恵会医科大学心臓外科

書誌事項

タイトル別名

• A Case of Aortopulmonary Window after Balloon Angioplasty for Bifurcation Pulmonary Stenosis Based on the Jetene Procedure

抄録

症例は6カ月の男児,大血管転位症(TGA) I型の診断のもと,生後4日目にJatene手術を施行した.生後4カ月目,体重増加不良を認め心力テーテル施行,肺動脈分岐部に狭窄を認めたためballoon拡張術を施行し退院となったがチアノーゼ症状が頻回となり再入院となった.心エコー検査により大動脈バルサルバ洞近傍から肺動脈分岐部付近にシャント血流を,また16列MDCT所見で2カ所にわたる欠損孔を認めた.AP windowの診断のもと,手術は人工心肺を使用し,速やかに大動脈を遮断し肺動脈に切開,内腔を確認すると肺動脈左右分岐部内側面にridge状の隔壁を認めた.その隔壁を切除するとMDCTと同様に2カ所のAP windowがあり,Xenomedica patchにより欠損孔を閉鎖,肺動脈を拡大形成した.本疾患はまれな合併症ではあるが,カテーテルインターベンションのさいの合併症として,常に念頭におくべきことを痛感させられた1例であった.

収録刊行物

• 日本心臓血管外科学会雑誌

  日本心臓血管外科学会雑誌 35 (4), 205-209, 2006-07-15

  特定非営利活動法人日本心臓血管外科学会

キーワード

• AP window
• Jatene 術後
• balloon 拡張術
• MDCT

詳細情報

• CRID: 1572261551868296576
• NII論文ID: 110004751809
• NII書誌ID: AN00193284
• ISSN: 02851474
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2007006709
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • CiNii Articles