小児鼠径ヘルニア術後腹壁膿瘍2例の経験

書誌事項

タイトル別名
  • Two Cases of Abdominal Wall Abscess After Repair of Inguinal Hernia in Childhood
  • 症例報告 小児鼠径ヘルニア術後腹壁膿瘍2例の経験
  • ショウレイ ホウコク ショウニ ソケイ ヘルニア ジュツゴ フクヘキ ノウヨウ2レイ ノ ケイケン

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抄録

腹壁膿瘍や臍瘻は鼠径ヘルニア手術後に起こるまれな晩期合併症である.私たちは手術に用いたヘルニア嚢結紮糸周辺の感染が臍動脈索に沿って波及したと思われる腹壁膿瘍2例を経験し,自験例を含む本邦報告例28例を集計した.症例1は2歳11カ月男児.2歳3カ月時に左鼠径ヘルニア根治術を受けた.感染性尿膜管嚢胞の診断で嚢胞切除術および膀胱部分切除術を受けた.症例2は6歳9カ月女児.2歳4カ月時に左鼠径ヘルニア根治術を受けた.尿膜管腫瘍の疑いで腹壁腫瘍摘出術,膀胱部分切除および左卵巣卵管切除術を受けた.2例ともヘルニア嚢結紮に用いられた結紮糸は絹糸で,病理組織検査で腹壁膿瘍と診断された.鼠径ヘルニア手術後に腹壁膿瘍や臍瘻をみた時には過大手術を行わないことが大切である.治療の第一歩は切開排膿である.このような合併症を防ぐためにヘルニア嚢結紮糸には絹糸を用いずに,清潔操作に留意すべきである.

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参考文献 (26)*注記

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