香港湾仔の混合用途ビルにおける多民族隣人ネットワークの研究

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  • MULTI-ETHNIC NEIGHBOUR NETWORK IN MIXED-USE BUILDING IN WANCHAI, HONG KONG

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抄録

本論文は隣人ネットワークモデルを用いて、混合用途ビルにおける隣人同士の相互交流関係を研究したものである。ビル内で交流のある人を特定するため、湾仔の混合用途ビルの、様々な民族から成る44人の居住住戸と非居住用途住戸に対して住戸毎に、2005年4月に聞き取り調査を行った。各々の住戸をノード、往来のある住戸の住人同士の関係をリンクとして隣人のネットワークモデルを作成した。このネットワークの構造を分析すると、度数分布がべき法則に則り、ノードが階層的構造を形成している、BAスケールフリーネットワークモデルの構成法則に当てはまることが明らかになった。これらの特性は隣人ネットワークの構造を説明する上で有意義である。ネットワークは、5つの隔てられたサブグループと7つ孤立した住人から構成されていた。それらのうち、3つのサブグループは密接につながれた同階における住人のクラスターから形成されていた。非居住用途住戸の住人は、クラスターになっているが、他の住人からは隔てられていた。外国人の住人の間や、ビルに長く居住している香港の住人の間の異なる階の間のつながりは互いに他方の同階内のクラスターに接続して2つの最も大きなサブグループを形成していた。隣人ネットワークの構成法則は、混合用途ビルの空間構造である住戸の位置と住戸の用途、住人の属性である民族性、居住期間と関係があることが明らかになった。

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