飼育下雄キリンの繁殖開始年齢

  • 片野 理恵
    日本大学生物資源科学部野生動物学研究室:麻布大学獣医学部獣医学科
  • 楠田 哲士
    日本大学生物資源科学部野生動物学研究室:岐阜大学大学院連合農学研究科
  • 楠比 呂志
    神戸大学農学部動物多様性教室
  • 村田 浩一
    日本大学生物資源科学部野生動物学研究室
  • 木村 順平
    日本大学生物資源科学部獣医学科

書誌事項

タイトル別名
  • Breeding Age in the Captive Male Giraffe

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抄録

国内の飼育下アミメキリン(Giraffa camelopardalis reticulata)およびマサイキリン(G.c. tippelskirchi)の死亡個体から得られた精巣および精巣上体を用いて生理学的な性成熟年齢を推定した。本邦の動物園で飼育されていた雄10個体を対象とし,精巣組織切片のHE染色およびPAS-Hematoxylin染色標本を作製して組織学的観察を行った。その結果,5.9歳以上のすべての個体において精巣および精巣上体内に精子が確認された。また,テストステロン産生の動態を知るためにコレステロール側鎖切断酵素(P450scc)の局在を免疫組織化学的に検索した。その結果,2.5歳と5.9歳以上の個体で局在が認められた。国内血統登録記録を用いて1907〜2000年の出産年月日をもとに,雄の初回交尾時年齢を推定した結果,3〜5歳が最も多く,組織学的解析結果と類似していた。国内の各動物園における1施設当たりの雄個体数は少なく,上位個体に交尾阻害される野生環境と比較し若雄でも繁殖可能であることから,飼育下では繁殖開始年齢が低下すると推察された。

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参考文献 (15)*注記

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