北海道の新生代鉱床区における熱水活動履歴(<特集>堆積盆の熱履歴を探る(その1))

書誌事項

タイトル別名
  • Cenozoic hydrothermal activity in the metallogenic province, Hokkaido, Japan(<Special issue>Thermal histories of sedimentary basin: technique and case studies(Part1))
  • 北海道の新生代鉱床区における熱水活動履歴
  • ホッカイドウ ノ シンセイダイ コウショウク ニ オケル ネッスイ カツドウ リレキ

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抄録

東北日本弧に属する西部北海道鉱床区と千島弧に属する東北北海道鉱床区には後期新生代の熱水性鉱床および熱水変質帯が分布する.これらの鉱床区における鉱化作用・熱水活動のステージは,M-Iステージ(19-15.5Ma),M-IIステージ(15.5-10Ma),M-IIIステージ(10-5Ma),M-IVステージ(5-0Ma)の4つに区分される.西部北海道鉱床区と東北北海道鉱床区東部ではM-IIステージに黒鉱鉱床などの海底熱水鉱床が,M-III〜IVステージに浅熱水性の鉱脈鉱床や陸上火山噴気熱水性鉱床が形成された.これに対し,東北北海道鉱床区の西部ではM-II〜IVステージに浅熱水性の鉱脈鉱床や陸上火山噴気熱水性鉱床が形成され,このうち鉱脈鉱床の形成年代(14.4〜0.3Ma)は北から南へと順次若くなる.熱水性鉱床や熱水変質帯の偏在性は,古環境,基盤岩の物性や構造,火成活動,広域テクトニクスに規定される.西部北海道鉱床区と東北北海道鉱床区東部では中期中新世の引張応力,後期中新世以降の圧縮応力をもたらした太平洋プレートの沈み込みに起因する火成活動が重要な役割を果たした.また,東北北海道鉱床区内部では中期中新世以降のユーラシアプレートのオホーツクプレートへの潜り込みに起因する圧縮応力とマントルダイアピルの上昇による火山活動によって熱水性鉱床や熱水変質帯が形成された.

収録刊行物

  • 地球科学

    地球科学 59 (3), 193-212, 2005

    地学団体研究会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (86)*注記

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