知多半島北部の東海層群

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タイトル別名
  • Stratigraphic correlation of the Tokai Group in the northern Chita Peninsula and the condition of the Sanage-Chita Uplift Zone, Central Japan
  • 知多半島北部の東海層群--層序対比および猿投-知多上昇帯の実態
  • チタ ハントウ ホクブ ノ トウカイソウグン ソウジョ タイヒ オヨビ サナゲ
  • 層序対比および猿投-知多上昇帯の実態

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抄録

鳴子丘陵南部,有松丘陵および大府丘陵北部にかけて分布している東海層群の層序および地質構造を明らかにした.調査地域の東海層群は,下位より,東浦累層,大府累層,鳴海累層に区分される.調査地域の東海層群には,9層の火山灰層がはさまれている.それらは下位より,石浜火山灰層,緒川火山灰層,相生火山灰層,森岡火山灰層,板山火山灰層,吉田火山灰層,大高I火山灰層,大高II火山灰層,細口火山灰層である.石浜火山灰層,緒川火山灰層,森岡火山灰層,板山火山灰層,大高I火山灰層,および大高II火山灰層は,それぞれ瀬戸層群の丸根火山灰層,東郷火山灰層,長久手I&II火山灰層,熊ノ前火山灰層,滝ノ水I火山灰層,および滝ノ水II火山灰層に対比される.同様に,石浜火山灰層,緒川火山灰層,相生火山灰層,森岡火山灰層,板山火山灰層,吉田火山灰層,および大高I火山灰層はそれぞれ常滑層群の小鈴谷火山灰層,大谷火山灰層,東谷火山灰層,佐布里火山灰層,岡田火山灰層,横須賀火山灰層,および天神池火山灰層に対比される.調査地域の東海層群の地質構造に見られる最も重要な知見は,北東および北北西〜北西の2方向の褶曲構造である.北東方向の褶曲構造は,北北西〜北西方向の褶曲構造に切られている.岩相層序および火山灰層序からみて,調査地域の東海層群の堆積は,鮮新世初期から鮮新世後期にかけて行われた.東海堆積盆の重要な構造帯である猿投-知多上昇帯は,調査地域においては北東-南西方向から屈曲する単一の上昇帯であると考えられてきた.本研究の結果,上昇帯は2つの上昇帯:北東方向の褶曲構造である猿投上昇帯と北北西〜北西方向の褶曲構造である知多上昇帯に区分されることが証明された.知多上昇帯は猿投上昇帯を切っている.その結果,前者の上昇開始は後者よりも遅れたことが明らかにされた.

収録刊行物

  • 地球科学

    地球科学 49 (2), 89-108, 1995

    地学団体研究会

参考文献 (33)*注記

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