右側大動脈弓を伴った左肺癌の1切除例:発生学的所見に基づく手術と文献的考察

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  • Surgical resection of a left lung cancer with attention to the path of blood vessels after induction chemotherapy: Report of a case and review of the literature

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抄録

症例は65歳男性.難治性肺炎の精査にて発見された左非小細胞肺癌cT2N2M0.肺癌診断時に左鎖骨下動脈が下行大動脈より起始する異常を伴った右側大動脈弓を指摘された.術前導入化学療法としてcisplatin/docetaxel療法を2コース実施後,左上葉切除+リンパ節郭清(ND2a)を施行した.なお郭清にあたり,左鎖骨下動脈起始部に大動脈憩室を認め,同部と左肺動脈の間に動脈管索を同定した.左反回神経が動脈管索を反回していることを確認し,これを温存した.また大動脈弓が気管の右側に存在するため郭清したリンパ節の領域番号同定に苦慮した.術後嗄声等の合併症は認めなかった.右側大動脈弓合併例における肺癌手術に際し,その発生解剖を術前によく把握することで,より安全に手術を行い得た.

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