九州大学病院矯正歯科における顎変形症患者の臨床統計調査(臨床)

  • 川村,智子
    九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座
  • 北原,亨
    九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座
  • 中島,昭彦
    九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical and statistical study of jaw deformity patients in the Orthodontic Department, Kyushu University Hospital(CLINICAL ARTICLE)

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抄録

1990年1月から2004年12月の15年間に来院した顎変形症患者を対象に,1.年平均新来顎変形症患者数,2.臨床診断別症例数,3.術式別症例数,4.下顎骨骨切り単独術式については施術状態をANB角および下顎下縁平面角に分けて調査し,以下の結果を得た.1.1990年1月から2004年12月まで顎変形症として新患登録された患者数は584名で,年平均症例数は38.9症例であった.2.診断別症例数は,下顎前突単独が最も多く206症例(39.4%),次いで下顎偏位を伴う下顎前突が160症例(30.6%)で,下顎前突を含んだ症状を呈するものは全体の約8割を占めていた.3.手術術式は,両側下顎枝矢状分割術の単独症例が273例(69.8%)と最も多く,次いで両側下顎枝垂直骨切り術単独症例が50例(12.8%)であった.上下顎移動術は22例(5.6%)であった.4.両側下顎枝矢状分割術および両側下顎枝垂直骨切り術の適応症例内訳を調査した結果,下顎枝矢状分割術は,ANB角が-8°より小さな重度の下顎前突症から,ANB角が8°以上の重度の下顎後退症に至るまで幅広く適用されていた.また,43°以上の急峻な下顎下縁平面角を有する7症例に対しては,1例を除く6症例に下顎枝矢状分割術が適用されていた.

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被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (26)*注記

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