経尿道的前立腺切除術 (TURP) に対する多施設共通クリニカルパスの進化

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タイトル別名
  • EVOLUTION OF COMMON CLINICAL PATH FOR TRANSURETHRAL RESECTION OF PROSTATE (TURP)
  • ケイ ニョウドウテキ ゼンリツセン セツジョジュツ TURP ニ タイスル タシセツ キョウツウ クリニカルパス ノ シンカ

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抄録

(目的) 経尿道的前立腺切除術 (TURP) に対する共通クリニカルパスの改訂による, 複数の施設での周術期管理の改善度を検討する.<br>(対象と方法) 共通パスを用いた平成14年度の周術期管理を検討してパスの改訂を行い, そのパスに基づいて平成15年度に行われた周術期管理の変化と各年度の施設問差を検討した.<br>(結果) 各年度で, 年齢, 軽度日常生活動作障害・認知障害を有する患者の比率, 全身麻酔を受けた患者の比率, 手術時間, 切除重量, 術中合併症の発生率, 輸血率に差を認めなかった. 術前入院期間, 再入院率, 手術麻酔費にも有意差はなかったが, カテーテル抜去は2.9術後日から2.3術後日と有意に早くなり, 術後入院期間は7.7日から6.1日に有意に短縮され, 入院費総額は43,703点から39,661点に有意に減少した. 術後の発熱頻度は平成15年度に2.4%から11.2%に上昇したが, 術後精巣上体炎, 術後出血, 術後排尿困難の発生率, それらの対処方法に関しては両群間で差を認めなかった. 各施設とも, 平成15年度の術後入院期間は短縮, 入院費総額も減少し, 標準偏差も概ね縮小したが, 平成14年度に見られた施設間差は平成15年度にも認められた.<br>(考察) 複数の施設で共通パスを用いた周術期管理を検討し, パスの改訂を行うことにより, 施設間差はあるものの標準化が図れることがわかった. 共通パスは, 全国レベルでの標準化を進めるために有効であると考えられた.

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