不動終了後のラットヒラメ筋に対する間歇的伸張運動が関節可動域と筋線維におよぼす影響

  • 井上 貴行
    名古屋大学大学院医学系研究科リハビリテーション療法学専攻
  • 沖田 実
    星城大学リハビリテーション学部
  • 高橋 裕司
    昭和大学藤が丘病院リハビリテーション部
  • 原田 裕司
    名古屋大学医学部保健学科理学療法学専攻
  • 鈴木 重行
    名古屋大学大学院医学系研究科リハビリテーション療法学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Intermittent Stretching on Limitation of Ankle Joint Mobility and Disuse Muscle Atrophy in Immobilized Rat Soleus Muscle

この論文をさがす

抄録

本研究の目的は,間歇的伸張運動が関節可動域制限と廃用性筋萎縮の回復促進に有効であるのかをラットの実験モデルを用いて検証することである。8週齢のWistar系雄性ラット30匹をControl群5匹と両側足関節を最大底屈位で4週間ギプスで不動化する実験群25匹に分け,実験群はさらに,1)不動のみの群(Ⅰ群;n=5),2)不動期間終了後にギプスを除去し,通常飼育を1週間実施する群(n=5)と2週間実施する群(n=5)(NS群),3)同様に不動期間終了後に通常飼育とし,加えて間歇的伸張運動を1週間実施する群(n=5)と2週間実施する群(n=5)(S群)に分けた。間歇的伸張運動は水動物用他動運動装置を用いて,40°の可動範囲で足関節の底背屈運動を行い,ヒラメ筋を4秒に1回のサイクルで伸張し,これを1日30分,週6回行った。足関節背屈角度は不動終了後1週目,2週目ともS群がNS群より有意に高値を示した。ヒラメ筋の筋線維横断面積は不動終了後1週目はType Ⅱ線経のみS群がNS群より有意に高値で,不動終了後2週目はType Ⅰ・Ⅱ線経ともS群がNS群より有意に高値を示した。加えて,不動終了後1週目のNS群には壊死線椎の発生が顕著に認められた。以上のことから,S群はNS群よりも足関節背屈の可動域制限やヒラメ筋の筋線維萎縮の回復が良好であり,間歇的伸張運動は関節可動域制限と廃用性筋萎縮の回復促進に有効であることが示唆された。

収録刊行物

  • 理学療法学

    理学療法学 34 (1), 1-9, 2007-02-20

    日本理学療法士学会

被引用文献 (8)*注記

もっと見る

参考文献 (32)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ