術後横隔膜麻痺に対し胸腔鏡下横隔膜縫縮術を行った1例

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  • Diaphragm Plication using VATS to Hemi-diaphragmatic Paralysis because of Phrenic Nerve Injury: A Case Report

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抄録

症例は73歳,女性.2004年10月28日,突然の胸背部痛が出現し,胸部CTで急性大動脈解離と診断,同日,当院心臓血管外科で上行大動脈人工血管置換術を施行した.術後第2病日に抜管したが,低換気による呼吸不全で翌日再挿管となった.胸部X線写真では高度な右横隔膜挙上を認め,術中の横隔神経損傷による右側横隔膜麻痺と診断した.以後,循環動態は安定していたが,陽圧換気を要し,難治性肺炎も合併した.11月29日,呼吸器外科で横隔膜麻痺に対し,横隔膜縫縮術を施行した.弛緩した横隔膜を認め,ナイフ無しの自動縫合器を用い胸腔鏡下に横隔膜の縫縮を行った.術後,著明な横隔膜の低下が得られ低換気も改善し術後3日目に抜管した.その後,炎症所見も改善し術後10日目に軽快退院した.本症例のように片側横隔膜麻痺で人工呼吸器から離脱できない場合,胸腔鏡下横隔膜縫縮術は,低侵襲で有用な術式である.

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参考文献 (25)*注記

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