抄録
研究ノート(Note)本稿は、学校法人の民事再生手続きの事例を分析することにより、「学校法人再生の条件」を明らかにし、事業再建を目的とした「学校再生支援」振興のための考察を行うものである。学校法人の民事再生手続きは、スポンサーが申立てと同時に公表されるプレパッケージ型が望ましい。しかし、スポンサー獲得は、(1)調査環境が未成熟であること、(2)この分野に精通したアドバイザーが少ない、などの理由により困難である。そのため、迅速で誠実なスポンサーの獲得のため、以下の展開により、標記の目的を果たすための検討を行う。第一に、民事再生手続きの概要を説明し、同手続きの目的や活用度を紹介する。第二に、民事再生手続きを行った学校法人のケース・スタディを六件行い、破綻までの経緯やスポンサーの有無及び再建計画の概要を明示する。第三に、前述のケース・スタディを通じ、民事再生手続きによる「学校法人再生の条件」を考察し、問題点を抽出する。問題とは「学校法人のスポンサー調査は困難」な点である。第四に、まず、学校法人が経営破綻に至った場合の所轄庁等の対処策を紹介する。次に、ある金融機関が仲介業務を果たした「学校再生ビジネス」を取上げる。双方を通じてみると、学校再生のスポンサー調査について、企業が学園再建に有効に機能していることが分る。第五に、以上を踏まえ、学園再建のためのスポンサー調査からマネジメントまで総括的なサポートを行う「学校法人再生支援ビジネス」を提言する。同事業は、金融機関や監査法人などの専門機関で構成されるもので、学校法人の再生支援の実務を行う事業体となる。学校法人の倒産手続きが続けて発生する今日、学園再生を図るシステムの構築は急務となる。提言の実現は、学生・生徒を守る一手段として検討する意義があるものと考える。