出水中の地中水における酸素同位体比変化と混合過程

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  • Variations in Oxygen-18Composition in Subsurface Water during Storm Runoff Periods and Mixing Processes.
  • シュッスイ チュウ ノ チチュウスイ ニ オケル サンソ ドウイタイヒ ヘンカ ト コンゴウ カテイ

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抄録

茨城県北部の常陸太田試験地HA流域 (0.84ha) において出水中の地中水の酸素同位体比変化 (δ18O) を詳細に調査した。2002年7月10日から11日にかけての台風第6号において, 降雨中に樹冠通過雨を3.5mLごと, 河川水と井戸水を2時間ごとで採水した。また2002年8月18日から19日にかけての台風第13号において, 樹冠通過雨, 河川水と井戸水を1時間ごと, および土壌水を6時間ごとに採水した。地中水の酸素同位体比は浅い深度から風化した基盤の中の水に至るまで, 1回の出水中に最大0.56‰まで比較的大きな変化を示した。流域を一つの貯水タンクとみなし, 降雨以前より流域に貯留されていた飽和帯の水に, 浸透してきた樹冠通過雨や土壌水が混合することによって飽和帯の水のδ18Oが変化するというモデルにより, 出水中の井戸水のδ18O変化を計算した。その結果, 基岩直上に設置した井戸水の台風第6号時の同位体比変化とよく一致した。このことは, 降雨以前から流域が湿潤で, かつ大規模な降雨の場合, 流域内で出水中という短期間に, 地中水と浸透してきた水との混合が生じ得ることを示している。

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参考文献 (23)*注記

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