マイクロサテライトマーカーで明らかになった低頻度出現種の更新プロセス

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タイトル別名
  • Characteristics of Regeneration Processes of Tree Species Occurring at Low Density Revealed by Microsatellite Markers
  • マイクロサテライト マーカー デ アキラカ ニ ナッタ テイヒンド シュツゲンシュ ノ コウシン プロセス

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抄録

森林生態系において低頻度で個体群が安定して存在する樹種である低頻度出現種の更新過程に関して, これまでマイクロサテライトマーカーを用いてなされてきた解析例をレビューした。マイクロサテライトマーカーを用いた解析では, 低頻度出現種は大きな親子間距離, 送受粉距離, 種子散布距離を示すことが多いが, 低頻度出現種において, 大きな遺伝子流動をもたらす要因として考えられるものについても取りまとめた。森林の断片化が低頻度出現種の遺伝的性質や更新過程に及ぼす影響については, (1) 樹木の寿命の長さにより, 断片化以前の遺伝的性質がいまだに集団内に保たれており, 断片化の影響が明らかになっていないもの, (2) 送受粉, 種子散布, 繁殖個体の遺伝的性質等に検出可能な悪影響が出ているもの,(3) 断片化が花粉や種子の移動を促進するように働いたという三っのカテゴリーに分かれる研究事例を紹介した。最後に,従来の親子解析というアプローチでは解明が困難である低頻度で発生する長距離種子散布の重要性についても強調した。

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