赤外反射分光法による金電極表面におけるピリジンカルボン酸の吸着状態の検討

  • 南部 典稔
    東京工業大学大学院総合理工学研究科物質電子化学専攻 東京工芸大学工学部ナノ化学科
  • 北村 房男
    東京工業大学大学院総合理工学研究科物質電子化学専攻
  • 大坂 武男
    東京工業大学大学院総合理工学研究科物質電子化学専攻
  • 徳田 耕一
    東京工業大学大学院総合理工学研究科物質電子化学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Adsorption States of Pyridinecarboxylic Acids on Gold Electrode Surface Studied by Infrared Reflection Absorption Spectroscopy
  • セキガイ ハンシャ ブンコウホウ ニ ヨル キン デンキョク ヒョウメン ニ オケル ピリジンカルボンサン ノ キュウチャク ジョウタイ ノ ケントウ

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抄録

ピリジンカルボン酸(PCA)には3種類の位置異性体{オルト体(2-PCA),メタ体(3-PCA)及びパラ体(4-PCA)}が存在する.これらは両性電解質であり,水溶液のpHに依存して3種類の異なる分子構造を有する.0.1 mol dm−3過塩素酸,過塩素酸ナトリウム,水酸化ナトリウム水溶液中での金電極表面におけるPCAの吸着挙動をその場赤外反射分光法により検討した.過塩素酸水溶液では3-PCAと4-PCAは主にカチオンの状態で存在するが,吸着種はいずれもカルボキシ基のプロトンが電離した両性イオンであった.吸着した3-PCAと4-PCAは,電位が正側になるにつれて電極表面に対して平行から垂直(カルボキシレ-トの2個の酸素原子で吸着した構造)に配向が変化した.こうした配向の変化は過塩素酸ナトリウム及び水酸化ナトリウム水溶液中では見られなかった.過塩素酸ナトリウム水溶液中においてのみ2-PCAは電極表面に対して平行に吸着し,過塩素酸及び水酸化ナトリウム水溶液中では吸着が起こりにくかった.こうした2-PCAの挙動は吸着におけるオルト効果といえる.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 56 (6), 457-464, 2007

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (53)*注記

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