活動電位を発生する味細胞は味覚情報伝達経路の起始点となりうる

DOI Web Site 被引用文献1件 参考文献31件
  • 吉田 竜介
    九州大学大学院・歯学研究院・口腔機能解析学分野
  • 安松 啓子
    九州大学大学院・歯学研究院・口腔機能解析学分野
  • 二ノ宮 裕三
    九州大学大学院・歯学研究院・口腔機能解析学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Taste receptor cells with action potentials as an initiation site for the gustatory information transduction pathway
  • カツドウ デンイ オ ハッセイスル ミサイボウ ワ ミカク ジョウホウ デンタツ ケイロ ノ キシテン ト ナリウル

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抄録

味覚受容体を発現するII型味細胞はシナプスを特たないとされる。では神経への味の情報伝達はどのようになされているのであろうか?このメカニズムの解明が、現在、緊急の課題であり、味覚研究における最大の謎となっている。近年、ATP受容体P2X2/X3ノックアウトマウスの味応答の消失の発見に始まり、活動電位依存的なATPの放出も報告されるに至り、II型味細胞から神経への情報伝達の道筋が徐々に明らかになってきた。我々は、旧来より、味細胞から、神経への情報伝達の仕組みについて明らかにするため、神経の再生過程や、味細胞の応答特性や発現遺伝子との関連、神経線維の応答特性との関連を追及してきた。その結果、活動電位を発生する味細胞の応答は、そのまま神経へ伝達されている可能性が高く、味細胞の活動電位の発現が、味覚情報伝達に重要であることが示唆された。

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