大量の下剤乱用を長期にわたって続けた神経性食欲不振症の1改善例 : 行動制限を用いた認知行動療法による入院治療過程を中心に

• 館 雅之

  九州大学大学院医学研究院心身医学

• 野崎 剛弘

• 瀧井 正人

• 占部 宏美

• 高倉 修

• 河合 啓介

• 久保 千春

書誌事項

タイトル別名

• A Patient with Prolonged Anorexia Nervosa and Long Term Laxative Abuse was Successfully Treated with Cognitive-Behavioral Therapy that Included Behavioral Limitation
• 症例研究 大量の下剤乱用を長期にわたって続けた神経性食欲不振症の1改善例--行動制限を用いた認知行動療法による入院治療過程を中心に
• ショウレイ ケンキュウ タイリョウ ノ ゲザイ ランヨウ オ チョウキ ニ ワタッテ ツズケタ シンケイセイ ショクヨク フシンショウ ノ 1 カイゼンレイ コウドウ セイゲン オ モチイタ ニンチ コウドウ リョウホウ ニ ヨル ニュウイン チリョウ カテイ オ チュウシン ニ

抄録

大量の下剤乱用を10年間にわたり続けていた神経性食欲不振症の遷延例である.このような症例は難治であり予後も不良とされるが,当科で行っている,「行動制限を用いた認知行動療法」が奏効し,退院後3年半経っても順調に推移しているので,報告する.「行動制限を用いた認知行動療法」では,患者が肥満恐怖に向き合い,体重増加を図っていくと同時に,行動制限中に表出してきた患者の問題行動を適宜扱う.本患者は,入院治療の過程で,現実生活でいやなことから逃げるという「葛藤回避」が自分の本質的な問題であることを認めるようになった.その結果,「葛藤」から逃げることなく,実際に体重を増やすことができ,体重のみならず家族や対人関係における認知や行動に変化がみられるようになった.本稿では,治療を通じて,患者の認知や行動が変化していった経緯と治療上の留意点について述べた.

収録刊行物

• 心身医学

  心身医学 47 (9), 803-811, 2007

  一般社団法人 日本心身医学会

キーワード

• 下剤乱用
• 摂食障害
• 認知行動療法
• 行動制限

詳細情報

• CRID: 1390001204890419200
• NII論文ID: 110006381872
• NII書誌ID: AN00121636
• DOI: 10.15064/jjpm.47.9_803
• ISSN: 21895996
• ISSN: 03850307
• NDL書誌ID: 8868778
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I8868778
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2007293351
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可