除脳ネコの橋排尿中枢に対する化学的刺激の効果に関する研究

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  • THE EFFECTS OF CHEMICAL STIMULATIONS OF THE PONTINE MICTURITION CENTER IN DECEREBRATE CATS

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抄録

微小電気刺激で同定した除脳ネコの橋排尿中枢に carbachol, acetylcholine, noradrenaline と enkephalin のそれぞれを微量注入し, 排尿を誘発できるか否か, また反射性排尿に対してどのような効果があるのかの2点について検討した. 膀胱充満状態での carbachol 注入例 (10mM, 100mM, 各0.1μl) と acetylcholine 注入例 (100mM, 0.1μl) で排尿を誘発できた. これらコリン作動性薬剤による排尿は, 反射性排尿や電気刺激誘発排尿時の膀胱内圧曲線と外尿道括約筋筋電図のそれぞれのパターンと一致した. 薬剤注入後に誘発した反射性排尿におよぼす効果としては, コリン作動性薬剤注入例と noradrenaline 注入例では最大膀胱収縮圧は上昇する例が多く, 膀胱容量は減少した. enkephalin 注入例では最大膀胱収縮圧は下降し, 膀胱容量は増加した. これらの成績から, 橋排尿中枢の神経細胞に対して, コリン作動性入力は排尿実行系入力として, noradrenaline 作動性入力と enkephalin 作動性入力はそれぞれ排尿促進と抑制の修飾系入力として作用する可能性が考えられた.

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