Ciclosporin 使用腎移植症例における感染症の分析

  • 高橋 公太
    東京女子医科大学腎臓病総合医療センター外科泌尿器科
  • 八木沢 隆
    東京女子医科大学腎臓病総合医療センター外科泌尿器科
  • 東間 紘
    東京女子医科大学腎臓病総合医療センター外科泌尿器科
  • 寺岡 慧
    東京女子医科大学腎臓病総合医療センター外科泌尿器科
  • 渕之上 昌平
    東京女子医科大学腎臓病総合医療センター外科泌尿器科
  • 本田 宏
    東京女子医科大学腎臓病総合医療センター外科泌尿器科
  • 合谷 信行
    東京女子医科大学腎臓病総合医療センター外科泌尿器科
  • 田辺 一成
    東京女子医科大学腎臓病総合医療センター外科泌尿器科
  • 海老原 和正
    東京女子医科大学腎臓病総合医療センター外科泌尿器科
  • 大場 忍
    東京女子医科大学腎臓病総合医療センター外科泌尿器科
  • 中島 一朗
    東京女子医科大学腎臓病総合医療センター外科泌尿器科
  • 中村 倫之助
    東京女子医科大学腎臓病総合医療センター外科泌尿器科
  • 中沢 速和
    東京女子医科大学腎臓病総合医療センター外科泌尿器科
  • 奥村 俊子
    東京女子医科大学腎臓病総合医療センター外科泌尿器科
  • 阿岸 鉄三
    東京女子医科大学腎臓病総合医療センター外科泌尿器科
  • 太田 和夫
    東京女子医科大学腎臓病総合医療センター外科泌尿器科

書誌事項

タイトル別名
  • INFECTIOUS DISEASES IN KIDNEY TRANSPLANT RECIPIENTS TREATED WITH CICLOSPORIN

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抄録

新しい免疫抑制剤 ciclosporin (CYA) を主に使用した400例の腎移植患者に発生した感染症に検討を加えたので報告する. 移植後106例に129回の感染症がみられた. そのうちわけの主なものは尿路感染28.7%, 帯状疱疹24.0%, 肺感染症23.2%, 敗血症7.0%, 口唇疱疹7.0%であり, 感染症死は5例であった. これらの感染症のうち76%が移植後4ヵ月目までに集中していた. 感染症の病原体はウイルス47.3%, 細41.9%, Pneumocystis carinii (Pc) 3.9%, 真菌3.0%, および不明3.9%であり, azathioprine 群に比べてウイルス感染の占める割合が多くなった.<br>生体腎の感染症では第一位が尿路感染症であり, 以下肺感染症, 帯状痕疹の順に発生率が高いが, 死体腎では肺感染症, 帯状疱疹の順であり, 死体腎において尿路感染症が少ない原因は移植後, 急性尿細管壊死による急性腎不全のためカテーテルの留置期間が短いためであった. 移植後最も重篤な感染症はPcと Cytomegalovirus による肺炎であり, これらの原因により5例が死亡した. これらの肺炎の早期診断には肺CTが有効であり, 治療薬剤として trimethoprim sulfsmethoxazole, pentamidine および human interferon-βが有効であった.<br>CYA使用症例では感染症の発生頻度が低下し, その程度も軽くなったが, 感染症はいまだ移植後の合併症の第一位を占めている.

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被引用文献 (5)*注記

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