画像の内容検索における類似度評価アルゴリズムの利用者フィードバックを用いた最適化

  • 岡 望実
    筑波大学大学院システム情報工学研究科リスク工学専攻
  • 亀山 啓輔
    筑波大学大学院システム情報工学研究科コンピュータサイエンス専攻
  • 寅市 和男
    筑波大学先端学際領域研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Optimization of Similarity Evaluation Algorithm Using Relevance Feedback in Content-Based Image Retrieval
  • ガゾウ ノ ナイヨウ ケンサク ニ オケル ルイジド ヒョウカ アルゴリズム ノ リヨウシャ フィードバック オ モチイタ サイテキカ

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抄録

近年,画像データベースの検索の際に,画像の特徴を用いて得られる画像間の類似度をもとに検索を行う画像内容検索(CBIR)に関する研究が行われてきている.CBIRでは,共通した客観的定義の存在しない「類似度」が用いられる.この「類似度」は様々な方法で決めることが可能であり,また,ユーザの主観によって異なるものである.この類似度の多様性ゆえに,CBIRにおいてはユーザの類似度基準に合わせた検索の実現が必要となる.本研究においては,検索結果に対する評価基準を用いて,類似度評価アルゴリズム中のパラメータを最適化することで,画像の類似度評価をユーザの要求に適合するよう改善する枠組みを提案する.提案する枠組みでは,検索結果に対する評価基準 J を定め,Particle Swarm Optimization を用いて,J を最小化することで最適化を行う.本研究の提案手法の有効性を検証するシステムとして,2値画像の輪郭を特徴とする画像の内容検索システムを用いた.そして,検索結果の類似度ランキングに対してユーザのフィードバックに基づいて計算される評価基準関数 J を定め,類似度評価アルゴリズム中のパラメータ最適化を行った.第一実験では,提案した枠組みにより最適化を行い,評価基準にあった検索結果が得られるようになることを確認した.第二実験では,2つの異なる評価基準 J を定め,それぞれの評価基準 J について最適化を行い,要求される基準の違いにより最適化後のパラメータが異なることや,検索結果に要求に応じた違いが出ることを確認した.以上により,提案した枠組みを用いて,評価基準 J を適切に定め,それに基づいてパラメータ最適化を行うことにより,ユーザの類似度基準に合わせた検索システムを実現できることを確認した.

収録刊行物

  • 知能と情報

    知能と情報 19 (5), 524-536, 2007

    日本知能情報ファジィ学会

参考文献 (23)*注記

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