門脈圧亢進症性胃症(portal hypertensive gastropathy)による消化管出血を合併した胆道閉鎖症術後の1患児例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Massive Gastric Bleeding With Portal Hypertensive Gastropathy in Biliary Atresia
  • 症例報告 門脈圧亢進性胃症(portal hypertensive gastropathy)による消化管出血を合併した胆道閉鎖症術後の1患児例
  • ショウレイ ホウコク モンミャクアツ コウシンセイ イショウ portal hypertensive gastropathy ニ ヨル ショウカカン シュッケツ オ ガッペイシタ タンドウ ヘイサショウ ジュツゴ ノ 1 カンジレイ

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抄録

症例は15歳・女児.日齢48に胆道閉鎖症の診断で肝門部空腸吻合術を施行したが,術後胆汁排泄不良のため肝門部空腸再吻合術を施行した.その後減黄するも,門脈圧亢進症が進行し食道静脈瘤に対して8回の内視鏡的硬化療法・静脈瘤結紮術を施行した.その結果,最近の上部消管内視鏡ではF1の食道静脈瘤を認めるのみであった.15歳時,歯痛に対し非ステロイド性抗炎症剤を内服.翌日より吐下血が出現し緊急入院となった.上部消化管内視鏡では胃食道静脈瘤からの出血は認めず,胃内での禰漫性出血を認め,門脈圧亢進症性胃症と診断した.胆道閉鎖症術後の門脈圧亢進症性胃症では,時に大量の消化管出血をおこすため出血源として念頭におく必要がある.また門脈圧亢進症性胃症が非ステロイド性抗炎症剤により悪化することもあり,門脈圧亢進症を合併した胆道閉鎖症術後では非ステロイド性抗炎症剤投与は慎重にすべきと思われた.

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参考文献 (12)*注記

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