インド亜大陸産マメ類の栽培的特性に関する研究(予報) : IV. グアルの導入系統の栄養生長特性

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  • Preliminary Report of the Studies on the Agronomic Characteristics of the Pulses in the Indian Subcontinent : IV. Vegetative characteristics of Guar strains

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抄録

グアル(Guar, Cluster bean, Cyamopsistetragonoloba)は,アラブの馬商人が飼料として持ち込んだアフリカ・サハラ地方の野生植物, C. senegalensisの中の耐早性の優れた植物が南インドに定着し,発達したと考えられているマメ科作物である。栽培化の年代はA.D. 9~13Cごろと推定され,インドでは比較的歴史の新しいマメであるが,今まで主に飼料として利用され,また,若莢が野菜として食べられて来た。近年,子実胚乳部に含まれるガラクトマンナン(グアーガム)が植物性ガム原料のイナゴマメ(Ceratonia silica,キャロブガム)に代って食品,紡績,化粧品,火薬工業などで世界的に需要が高まっており,主産国のインド,パキスタン,アメリカ合州国では栽培や育種の研究も盛んである。わが国へもパキスタンから輸入されているが,食品関係だけで年間約4,000tの需要があるといわれている。わが国では今までグアルに関する栽培試験は全くなされていなかったが,最近(1976年),岡山農試で1962年以来行われていたアメリカ,インド,イタリアなどの導入系統による試験成績が始めて報告された。著者らは1972年から行っているインド亜大陸産マメ類に関する研究の1つとしてグアルを採り上げて来たが,ここでは1975,1976両年に導入7系統の作物学的,栽培的特性を調べ,わが国暖地でのグアルの栽培の可能性を認めたのでその概要を報告する。本研究の詳細は1977年度の結果も加えて別に報告の予定である。

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