発育期に利用した寄主植物がカンザワハダニTetranychus kanzawai(Acari:Tetranychidae)雌成虫の寄主選好性に及ぼす影響

  • 田島 隆宣
    京都大学大学院農学研究科生態情報開発学研究室
  • 大橋 和典
    京都大学大学院農学研究科生態情報開発学研究室
  • 刑部 正博
    京都大学大学院農学研究科生態情報開発学研究室
  • 高藤 晃雄
    京都大学大学院農学研究科生態情報開発学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Host plants utilized during the immature development of Tetranychus kanzawai (Acari: Tetranychidae) determine the preference of the adult females for the plants.
  • ハツイクキ ニ リヨウシタ キシュ ショクブツ ガ カンザワハダニ Tetranychus kanzawai Acari Tetranychidae メス セイチュウ ノ キシュ センコウセイ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

多食性の植食者が,発育した寄主植物を選好することによって,他の植物で発育した個体群との遺伝的交流の頻度が低くなり,その結果,遺伝的分化が促進されてその寄主植物への特殊化が進行すると考えられる.多食性のカンザワハダニにはアジサイやキョウチクトウなどの毒性が高い植物に対しても,それぞれ特異的に適応した個体群が存在する.そこで,アジサイおよびキョウチクトウで発生する個体群について,幼若虫期に利用した寄主植物が雌成虫の寄主選好性に及ぼす影響を調査した.その結果,いずれの個体群においても,元の寄主植物上で発育した場合のほうが,好適な寄主植物であるインゲンマメ上で発育した場合よりも元の寄主植物に対する選好性が有意に高かった.このことからアジサイおよびキョウチクトウへの選好性は,これらの植物に適応した個体群がこれらの植物上で発育することによってはじめて誘導されることが明らかになった.

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