Reflux nephropathyの臨床的検討 : I.蛋白尿を伴う膀胱尿管逆流症の予後

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  • CLINICAL STUDY ON REFLUX NEPHROPATHY : I. Outcome of Renal Function in VUR Patients with Proteinuria

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抄録

reflux nephropathyの概念,病態について現在定説はない.一般には蛋白尿,腎の瘢痕性変化,腎機能低下とreflux nephropathyには密接な関連が推測されている.われわれはVUR自験375症例の内蛋白尿を呈した症例を対象として非蛋白尿症例と比較しつつ治療予後をIVP,RI,腎機能の推移からretrospectiveに検討した.その結果,蛋白尿症例では逆流防止手術を行った11例中腎機能正常の小児2例を除いた9例で予後不良で,一方保存的療法の6例全例で予後不良であった.蛋白尿を呈した両側性VUR 15例中3例が腎不全に陥った.この事から蛋白尿症例は治療法の如何に拘らず予後不良であることが判明した.また非蛋白尿症例で腎の瘢痕性変化を有する症例では必ずしも予後は不良とは限らなかった.以上より蛋白尿の有無はVURの予後を大きく左右する因子と考えた.なお,非蛋白尿症例での検討で,逆流防止手術症例の方が保存的療法症例に比して予後良好で,保存的療法により腎機能の増悪した症例も逆流防止手術により改善傾向をみたことも併せ,VURの治療方針決定の際逆流防止手術に対する積極性が望ましいとの提言を行った.

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