水稲小穂細胞の核主体画分形成に及ぼす幼穂形成期からのケイ素欠如の影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Effect of Silicon Deficiency from Panicle Stage on Formation of Cell Fraction Containing Nucleus of Rice Spikelets
- スイトウ ショウスイ サイボウ ノ カク シュタイ カクブン ケイセイ ニ オヨボス ヨウスイ ケイセイキ カラ ノ ケイソ ケツジョ ノ エイキョウ
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抄録
水稲の幼穂形成に及ぼすケイ素の役割を明らかにするため,水耕液のケイ素濃度を幼穂形成期から2または3段階に分けて栽培し,出穂10,5日前および出穂日に小穂を収穫し,小穂細胞を次のように分画し,ケイ素の分布状態を調べた,小穂細胞を冷水中でホモゲナイズした後,ナイロンメッシュでろ過し,ろ液を600×gで10分間,10,000×gで30分間遠心分離を行った.ナイロンメッシュ上の残渣をF1,600×gの沈殿物をF2,10,000×gの沈殿物をF3,10,000×gの上澄み液をF4とした.また質量およびケイ素含量にケイ素の影響が最も大きかったF2画分から高分子核酸を抽出し,IRおよびUVスペクトルを測定し,ケイ素の存在形態について検討した.1)出穂10日前では,形成された幼穂数,小穂数および粒重は,ケイ素の添加により増加した.2)小穂細胞画分は,出穂10日前からケイ素不足により核が主体のF2画分の形成が抑制される傾向にあった.3)F2画分のケイ素含量は,各区ともF1画分とほぼ等しいか,または多かった.4)出穂日のI区のF2画分からの抽出残渣のケイ素濃度は,II,III区に比べて著しく低かったが,高分子核酸画分のケイ素濃度の差異は小さかった.5)ケイ素を加えたF2画分の抽出残渣のIRスペクトルでは,470,790cm^<-1>にピークが観察されたが,1,090cm^<-1>にはみられなかった.一方,ケイ素を加えた区の高分子核酸画分のIRスペクトルでは,SiOCH_3の存在を示す868,1,133および1,208cm^<-1>の強度が増加した.6)出穂10日前のケイ素を添加した区から抽出した高分子核酸画分のUVスペクトルでは,OD_<260>の極大値が長波長側にシフトする深色効果が観察された.以上の結果は,ケイ素は小穂の細胞壁の形成のみならず核膜や高分子核酸との結合を介して核形成に重要な役割を果たしていることを示唆している.
収録刊行物
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- 日本土壌肥料学雑誌
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日本土壌肥料学雑誌 78 (1), 7-13, 2007
一般社団法人 日本土壌肥料学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282681535101696
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- NII論文ID
- 110006570241
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- NII書誌ID
- AN00195767
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- ISSN
- 24240583
- 00290610
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- NDL書誌ID
- 8680283
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可