内膜細胞診がｐｌａｃｅｎｔａｌ　ｓｉｔｅ　ｔｒｏｐｈｏｂｌａｓｔｉｃ　ｔｕｍｏｒ（ＰＳＴＴ）診断のきっかけとなった１例

• 新井 詠美

  北里大学医学部産婦人科

• 新井 正秀

  北里大学医学部産婦人科

• 田口 明

  相模野病院産婦人科

• 上坊 敏子

  北里大学医学部産婦人科

• 横山 大

  北里大学病院病理部細胞診

• 山口 優美子

  北里大学病院病理部細胞診

• 蔵本 博行

  北里大学医学部産婦人科 北里大学医学部大学院医療系研究科臨床細胞

書誌事項

タイトル別名

• Placental site trophoblastic tumor detected by endometrial cytology-A case report-

抄録

背景 : placental site trophoblastic tumor (PSTT) はまれな疾患で, その細胞診所見の報告は非常に少ない. 内膜細胞診で PSTT を疑った症例を報告する.<br>症例 : 32 歳, 2 経妊 2 経産. 主訴は 5 ヵ月間の産褥無月経後の不正性器出血. 血清 hCG は 99 mIU/ml, hPL は 0.62μg/ml であった. エンドサイトにより採取した内膜細胞診の所見は, (1)出血性背景だが壊死物質は目立たず, 正常内膜細胞が出現, (2)大型の異型細胞が孤立性またはシート状小集塊を形成して出現, (3)異型細胞の細胞質は豊富で, 核クロマチンは増量し, 核大小不同を認めた. 2 核の細胞もあり, 核小体を数個認めた. (4)明らかな絨毛構造はない, であった. 以上から, 絨毛癌を含む絨毛性疾患を強く疑った. 子宮内膜全面掻爬によって得られた組織にも絨毛構造はみられず, 免疫組織化学では hCG, hPL ともに陽性で, 後者が多いという結果であった. 以上より PSTT を疑い, 単純子宮全摘術を施行した. 摘出子宮の筋層には 2.0×0.8 cm の境界明瞭な暗赤色の腫瘤として PSTT が局在していた.<br>結論 : 細胞所見が PSTT 診断のうえで参考となることが示唆された.

収録刊行物

• 日本臨床細胞学会雑誌

  日本臨床細胞学会雑誌 47 (1), 34-38, 2008

  公益社団法人　日本臨床細胞学会

キーワード

• Uterus
• Placental site trophoblastic tumor
• Endometrial cytology
• Case report

詳細情報

• CRID: 1390001204695314944
• NII論文ID: 130004512947
• NII論文ID: 110006571293
• NII書誌ID: AN00198721
• DOI: 10.5795/jjscc.47.34
• ISSN: 18827233
• ISSN: 03871193
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2008147677
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可