アカントアメーバ角膜炎の３例―角膜擦過細胞診でのアカントアメーバ原虫の同定―

• 堀越 美枝子

  群馬大学医学部附属病院病理部

• 石原 力

  群馬大学医学部附属病院病理部

• 石井 英昭

  日本医科大学武蔵小杉病院病理部

• 伊古田 勇人

  深谷赤十字病院検査部

• 山口 由美子

  群馬大学医学部附属病院眼科

• 柏原 賢治

  済生会前橋病院検査科

• 城下 尚

  東邦病院病理部

• 村上 正巳

  群馬大学大学院医学系科病態検査医学

書誌事項

タイトル別名

• Three cases of acanthamoeba keratitis—Detection of protozoa by ordinal cytological preparation of corneal scrapes—
• —角膜擦過細胞診でのアカントアメーバ原虫の同定—

抄録

背景 : アカントアメーバ角膜炎 (Acanthamoeba keratitis) はコンタクトレンズ装着者に増加傾向がみられる. 原因は淡水, 土壌等に生息しているアカントアメーバ (Acanthamoeba) の感染によるもので, 角膜擦過細胞診標本にて嚢子 (cyst), 培養検査にて原虫の嚢子 (cyst), 栄養体 (trophozoite) を検出できた 3 例を経験したので報告した.<br>症例 : 角膜擦過細胞診で原虫の嚢子が確認できた. パパニコロウ染色ではライトグリーンにより嚢子壁が染色され, 内部は茶褐色あるいは不染性であった. PAS 染色では嚢子壁陽性, 嚢子内部は暗赤色を呈していた. ギムザ染色では嚢子壁が青紫色に好染した. また, 培養により得られた塗抹標本に蛍光染色を施し, 蛍光を発するアカントアメーバの嚢子を検出できた.<br>結論 : アカントアメーバ角膜炎はアカントアメーバ原虫を検出し, 早期に治療することが重要である. 検出方法には病巣擦過物のパーカーインク KOH 法による直接鏡検あるいは培養が代表的な検査方法であるが, 角膜擦過細胞診標本でパパニコロウ染色, PAS 染色, ギムザ染色標本の鏡検によるアカントアメーバ原虫の検出は簡便であり, 早期に治療へ結びつくことができるため, 有用な検査方法である.

収録刊行物

• 日本臨床細胞学会雑誌

  日本臨床細胞学会雑誌 47 (1), 48-52, 2008

  公益社団法人　日本臨床細胞学会

キーワード

• Acanthamoeba
• Acanthamoeba keratitis
• Corneal scraping cytology
• Case report

詳細情報

• CRID: 1390001204695310976
• NII論文ID: 130004512950
• NII論文ID: 110006571296
• NII書誌ID: AN00198721
• DOI: 10.5795/jjscc.47.48
• ISSN: 18827233
• ISSN: 03871193
• HANDLE: 10087/5534
• HANDLE: 10087/5564
• Web Site: https://gunma-u.repo.nii.ac.jp/records/4745
• Web Site: https://gunma-u.repo.nii.ac.jp/records/4746
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2008147680
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • IRDB
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可