優性栄養型表皮水疱症における臨床型と遺伝子型の関連

  • 間山 真美子
    弘前大学大学院医学研究科 皮膚科学講座 東京女子医大付属青山自然医療研究所クリニック
  • 玉井 克人
    弘前大学大学院医学研究科 皮膚科学講座
  • 深井 和吉
    大阪市立大学大学院医学研究科 皮膚科分野
  • 中川 俊文
    香川医科大学 医学部 皮膚科学分野
  • 原田 研
    弘前大学大学院医学研究科 皮膚科学講座
  • 中野 創
    弘前大学大学院医学研究科 皮膚科学講座
  • 花田 勝美
    弘前大学大学院医学研究科 皮膚科学講座
  • 橋本 功
    弘前大学大学院医学研究科 皮膚科学講座
  • 澤村 大輔
    弘前大学大学院医学研究科 皮膚科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Genotype and phenotype correlation of dystrophic epidermolysis bullosa

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抄録

 栄養障害型表皮水疱症,Dystrophic epidermolysis bullosa (DEB) は,機械的刺激により水疱を生じる遺伝性皮膚疾患で,VII型コラーゲン遺伝子 (COL7A1) の変異が原因となる.栄養障害型表皮水疱症は,優性栄養障害型 dominant dystrophic EB (DDEB) と劣性栄養障害型 recessive dystrophic EB (RDEB) とに分けられる.ほとんどの DDEB は,グリシン置換変異 (GS) の dominant negative effect によって生じる.しかし,GS の中には,silent といって,COL7A1 他の変異と組み合わせられないと,病的意義をもたないものもある.COL7A1 における臨床症状と遺伝子型の関係を明らかにするため,DEB の優性変異型,単発型2家系について,COL7A1 gene の変異検索を行った.症例1に 8068del17ins2 を,症例2には G2395D と152delG の新規変異を同定した.症例1は DDEB であるが,GS ではなく insertion/deletion 変異によって発症し,症例2の GS は,DDEB ではなく,非コラーゲンアミノ酸領域 (NC-1) の早期終止コドン変異との組み合わせで RDEB を生じていた.本研究は DEB の新規変異を明らかにするとともに ,本症のおける臨床と遺伝子変異の理解をさらに深めた.

収録刊行物

  • 弘前医学

    弘前医学 59 (1), 33-40, 2007

    弘前大学大学院医学研究科・弘前医学会

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