皮膚疾患に対する十全大補湯の応用とその作用機序に関する一考察

• 地野 充時

  千葉大学大学院医学研究院先端和漢診療学講座

• 関矢 信康

  千葉大学大学院医学研究院先端和漢診療学講座

• 大野 賢二

  千葉大学大学院医学研究院先端和漢診療学講座

• 平崎 能郎

  千葉大学大学院医学研究院和漢診療学講座

• 林 克美

  千葉大学大学院医学研究院先端和漢診療学講座

• 笠原 裕司

  千葉大学大学院医学研究院先端和漢診療学講座

• 喜多 敏明

  千葉大学環境健康フィールド科学センター

• 檜山 幸孝

  千葉大学大学院医学研究院先端和漢診療学講座

• 並木 隆雄

  千葉大学大学院医学研究院先端和漢診療学講座

• 済木 育夫

  富山大学和漢医薬学総合研究所病態生化学分野

• 寺澤 捷年

  千葉大学大学院医学研究院和漢診療学講座

書誌事項

タイトル別名

• Clinical Application of Juzentaihoto for Skin Diseases and its Possible Mechanism
• 臨床報告 皮膚疾患に対する十全大補湯の応用とその作用機序に関する一考察
• リンショウ ホウコク ヒフ シッカン ニ タイスル ジュウゼンタイホトウ ノ オウヨウ ト ソノ サヨウ キジョ ニ カンスル イチ コウサツ

抄録

十全大補湯が有効であった皮膚疾患3例を経験した。十全大補湯は伝統的に気血両虚の病態に使用され，現在では様々な皮膚疾患にもしばしば応用されている方剤である。自然免疫系の受容体であるToll‐like receptors （TLRs）が抗原提示細胞に発現していることが近年明らかになっているが，我々は以前，十全大補湯がマウス腹腔滲出細胞において，TLR4シグナル伝達経路に影響を及ぼし，interleukin‐12（IL‐12）およびinterferon‐γ（IFN‐γ）産生を増強することを報告した。表皮にも抗原提示細胞であるLangerhans細胞が存在するため，十全大補湯がLangerhans細胞のTLRシグナル伝達経路に作用しTh1／2バランスを改善している可能性がある。皮膚疾患に対する十全大補湯の作用機序の一つとして，自然免疫系を介する獲得免疫系への影響を示唆する症例と考えられた。

収録刊行物

• 日本東洋医学雑誌

  日本東洋医学雑誌 59 (1), 63-71, 2008

  一般社団法人 日本東洋医学会

キーワード

• 十全大補湯
• 皮膚疾患
• 自然免疫
• Toll-like receptors
• Langerhans細胞
• 獲得免疫

詳細情報

• CRID: 1390001204909533952
• NII論文ID: 110006596072
• NII書誌ID: AN00015774
• DOI: 10.3937/kampomed.59.63
• ISSN: 1882756X
• ISSN: 02874857
• NDL書誌ID: 9379802
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I9379802
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2008125654
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可