ポリアミノカルボン酸型キレート樹脂固相抽出剤を前処理に用いる誘導結合プラズマ質量分析法による生体試料中の鉛同位体比分析

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タイトル別名
  • Isotope Analysis of Lead in Biological Samples by ICP-MS with Pretreatment Using Polyamino-Carboxylic Chelating Resin Disk
  • ポリアミノカルボンサンガタ キレート ジュシ コソウ チュウシュツザイ オ マエショリ ニ モチイル ユウドウ ケツゴウ プラズマ シツリョウ ブンセキホウ ニ ヨル セイタイ シリョウチュウ ノ ナマリ ドウイタイヒ ブンセキ

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抄録

誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)計を用いて血液,歯など鉛暴露の指標であるヒト生体試料中の鉛の同位体比分析を行うために,ポリアミノカルボン酸型キレート樹脂による前処理法を検討した.血液標準物質(RM),骨認証標準物質(CRM)を用いた検討において,鉛の空試験レベルは0.5±0.1 ng(試料中鉛量の3% 未満),pH 5~6における回収率は骨CRMで94±6%,血液RMで89±4%,骨CRMのカルシウムマトリックス除去率は>99.9% であり,ICP-MSによる鉛同位体比分析の前処理として適切なものであると考えられた.また,基材樹脂にジビニルベンゼン/メタクリレート共重合体を用いたキレート樹脂のほうがメタクリレートを基材としたものよりも,有機物に富む血液からの鉛の分離で良好な結果が得られることが確認された.骨CRMの鉛同位体比は207Pb/206Pb=0.8201±0.0035,208Pb/206Pb=2.041±0.006(n=6)であり,文献値とよく一致した.本法の実試料への適用として,現代日本人小児3名の血液及び成人4名の骨中の鉛同位体比分析を行った結果,小児血中鉛同位体と成人骨中鉛同位体は明らかに異なる分布を示した.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 57 (2), 99-104, 2008

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (35)*注記

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