外因性プロテオグリカンが骨髄由来間葉系幹細胞の軟骨分化に与える影響

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  • Effect of exogenous proteoglycans on chondrogenesis of bone marrow mesenchymal stem cells

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抄録

 間葉系幹細胞の軟骨分化過程においてバーシカン.アグリ カンといったプロテオグリカン (PG) が発現することは知られている.本研究では,外因性サケ鼻軟骨由来PG を間葉系幹細胞のペレットカルチャーに添加し,組織学的および mRNA発現について検討を行った.その結果,成長因子 (GF) 単独および GF と PG の両方を添加した2群において,細胞の形態が軟骨様に変化し,組織学的に細胞外マトリックスの産生を認めた.軟骨特異的遺伝子である2型コラーゲンおよびアグリカンの mRNA発現は,コントロール群および PG群ではほとんど発現を認めないが,GF群では高度な発現を認めた.しかし GF と PG を併用するとGF単独群に比してその発現は有意に減弱した.PG の直接的な作用により遺伝子発現が抑制されたか,PG と GF の相互作用による影響と考えられた.軟骨分化の過程で発現する糖タンパク質は,分化の方向性や程度を決定する重要な因子であると考えられ.外因性の PG にも同様の効果があるものと考えられる.

収録刊行物

  • 弘前医学

    弘前医学 59 (2-4), 98-103, 2008

    弘前大学大学院医学研究科・弘前医学会

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