Fusarium oxysporum f.sp.tanacetiによるナツシロギク萎凋病(新称)

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タイトル別名
  • Occurrence of Fusarium wilt in Japan caused by Fusarium oxysporum f. sp. tanaceti.
  • Fusarium oxysporum f sp tanaceti ニ ヨル ナツシロギク イチョウビョウ シンショウ

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抄録

2001年6月,千葉県旭市で施設栽培ハウスのナツシロギク[Tanacetum parthenium (L.) Schultz-Bip.]の苗に,半身が生育不良となり,後に萎凋枯死する病害が多数観察された.発病株の地際部および根の維管束には褐変が認められFusarium属菌が高率に分離された.また,分離菌を用いた接種試験では,病徴が再現され分離菌が再分離された.本菌は3隔壁の大分生子が多く観察されることや厚壁胞子が粗面であること,菌叢が紫色を呈することなどの形態的特徴よりF. oxysporum Schl.と同定した.さらに,β-tubulinのtub2領域を用いたDNA解析からも同定を裏付ける結果を得た.6種のキク科植物(キク,アスター,レタス,ゴボウ,マリーゴールド,コスモス)を用いた宿主範囲の検討では,全ての植物において茎内部の褐変などはみられず,病原性は確認できなかった.また,American Type Culture Collection(ATCC)から取り寄せたF. oxysporum Schl. f. sp. chrysanthemi Litt.(Strain No.: ATCC 52422)において,ナツシロギクへの接種試験における病原性は確認されなかった.そこで,ナツシロギク分離菌を新分化型と考え,Fusarium oxysporum Schl. f. sp. tanaceti Hirooka, Matsumoto et Tak. Kobay.(Strain No.: MAFF 240102; GenBank No.: AB237490)とすることを提案し,本病をナツシロギク萎凋病(英名:Fusarium wilt)と命名したい.<br>

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参考文献 (29)*注記

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