ラウエ型アナライザーを用いた放射光屈折強調節像法による豚膝関節の描写

  • 森 浩一
    茨城県立医療大学保健医療学部放射線技術科学科
  • 関根 紀夫
    首都大学東京健康福祉学部放射線学科
  • 佐藤 斉
    茨城県立医療大学保健医療学部放射線技術科学科
  • 門間 正彦
    茨城県立医療大学保健医療学部放射線技術科学科
  • 岡 寛
    聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科

書誌事項

タイトル別名
  • Depiction of a knee joint of pig by means of synchrotron X-ray diffraction enhanced imaging with a Laue-type analyzer

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抄録

放射光を用いたラウエ配置による2次元照射野の屈折強調画像法をX線エネルギー30keVにて実施した。撮影に用いた試料は,生の食用豚の膝塊である。試料骨の大きさは約7.5cmであり,成人の膝と類似の画質が期待できる。このDEI撮影系では,強度がほぼ同じ2種類のX線として,前方回折X線束と回折X線束を得る。これらのX線を用いて乳房撮影用フィルム(増感紙なし)や高分解能IPにより2次元画像を撮影した。DEI画像では,従来法では描写できない膝軟組織,つまり前十字靭帯,半月板,関節軟骨の輪郭描写ができた。前十字靭帯像は,白黒線で輪郭が強調された。前方回折X線による画像における線の全幅は,乳房撮影用フィルムを用いたとき0.08〜0.10 mm程度であった。高コントラストの線描写が特徴であるゆえ,輪郭描写能においては,DEIはMRIより優れるであろう。この新しい手法は,靭帯や半月板の部分断裂の精密診断,早期のリウマチや変形性関節症の画像診断に適用できるであろう。

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参考文献 (16)*注記

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