103 ファンデルポール型自励発振方式原子間力顕微鏡(AFM)の開発 : 第2報:自己駆動・自己検知型マイクロカンチレバーの試作と実験

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タイトル別名
  • 103 The Development of Atomic Force Microscopy (AFM) Using "van der Pol"-type Self-excitation for the Probe-cantilever : 2^<nd> Report: Experiments Using a Self-actuation-Self-sensing-type Micro-cantilever

抄録

バイオテクノロジーの発展にナノテクノロジーが融合して"ナノバイオテクノロジー"の時代に入った今日、原子間力顕微鏡(AFM)の高性能化の要求は尽きることはない。特に、今後、 DNAやタンパク質をはじめとする生体高分子などのその場(in-situ)観察において、 AFMによる液中観察の機会は急激に増大することが予想される。しかし、柔軟で表面に凹凸の多い生体関連試料をダイナミックモードAFMにてその場(in-situ)観察するには、カンチレバーによって試料表面が損傷しないために50pN以下の接触力を実現せねばならないとされ、理想的には完全なる非接触モードの実現が望まれている。前記課題の達成方法として、著者らは、カンチレバーの振動速度の正帰還による単なる自励発振だけではなく、非線形フィードバック項を付加することによってファンデルポール型自励振動系を用いる手法を提案してきた。(図A1参照)一方、AFMによる生体高分子の高精度液中観察におけるプローブカンチレバーとして、Si製マイクロカンチレバー上にPZT層を成膜し、電極をセンサ部分とアクチュエータ部分に分割した自己駆動・自己検知型が注目されている。と言うのは、従来AFMの光てこ法と異なり、レーザー光の光点合わせが不要、検出部分をコンパクトにまとめられる、アラインメントや加振も直接行えるなどの利点を十全に享受できるためである(図A2参照)。現在までに、自己駆動・自己検知型マイクロカンチレバーを試作、自励発振系の実装、そして発振の実験に成功したので報告する。

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