胸腺原発ホジキンリンパ腫の1例

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  • A case of Hodgkin's lymphoma of thymic origin

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抄録

症例は32歳女性,咳,胸痛を主訴に近医受診し,胸部X線検査上,縦隔の異常影を指摘された.CTでは前縦隔に内部均一な腫瘤を認めた.胸腺腫との術前診断にて,胸骨正中切開,拡大胸腺摘出術を施行した.肺への浸潤,肺転移巣を認めたため,肺部分切除を追加した.病理組織学的には,線維性隔壁に境される結節性病変を呈し,大型のH細胞,R-S細胞を認めた.免疫染色ではCD15(+),CD30(+)であり,Classical Hodgkin's lymphoma,Nodular sclerosis type,CS II A,PS II A(L+)と診断された.ホジキンリンパ腫はリンパ節に原発することが多く,胸腺原発例の報告は散見されるが比較的まれである.本症例は術後放射線治療を行い,術後10ヵ月無再発生存中である.適切な治療を施せば予後良好な疾患であり,今後の厳重な経過観察が必要である.

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参考文献 (33)*注記

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