書誌事項
- タイトル別名
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- The efficacy of intraoperative cytology in patients with lung tumor
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抄録
目的: 当院では術前未確診肺腫瘤に対し, 一期的手術を行ううえで術中迅速細胞診を重要視している. この有用性を検討した.<br>方法: 2004 年 4 月∼2007 年 5 月の期間で胸腔鏡下に迅速細胞診を行い, 一期的に術式を決定した肺腫瘤 80 例を対象とし, 術中細胞診の精度を解析した. さらに細胞診方法を穿刺細胞診群 25 例と, 腫瘤割面の捺印細胞診群 55 例に分け, 細胞診断結果を分析した.<br>成績: 術中細胞診陽性 48 例, 陰性 27 例で, 偽陽性 1 例が生じた. 他 5 例は細胞異型が弱いことより術中判定が困難であった (感度 90.4%, 特異度 96.4%, 正診率 92.5%). 偽陽性例は穿刺細胞診群に含まれ, 術後組織診で肉芽腫 (非結核性抗酸菌症) と診断された. 術中細胞診判定困難例はいずれも肺腺癌 (粘液腺癌 1 例, 細気管支肺胞上皮癌 4 例) と最終的に診断された.<br>結論: 当院での未確診肺腫瘤に対する術中細胞診の診断成績は, 判定困難例を除くと良好であった. 判定困難例はすべて細胞異型の弱い腺癌であり, 一般的にも細胞診判定が困難な症例であった. 穿刺細胞診のみでの陽性判定は, 偽陽性例の潜在を考慮し慎重に行う必要があると考えられた.
収録刊行物
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- 日本臨床細胞学会雑誌
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日本臨床細胞学会雑誌 47 (2), 81-85, 2008
公益社団法人 日本臨床細胞学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204695392256
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- NII論文ID
- 130004512954
- 110006677078
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- NII書誌ID
- AN00198721
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- ISSN
- 18827233
- 03871193
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可