子宮頸部扁平上皮領域におけるGlucose transporter‐1(GLUT‐1)発現の意義

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  • Immunocytochemical study of Glucose transporter-1 (GLUT-1) expression for endocervical squamous lesions

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抄録

目的: 子宮頸部領域における Glucose transporter-1 (以下, GLUT-1)の発現と病変の進行との関連を検討した.<br>方法: 細胞診, 組織診が同時期に実施された Cervical intraepithelial neoplasia (以下, CIN) 60 例と浸潤性扁平上皮癌 10 例を対象とした. Papanicolaou 染色脱色細胞標本とパラフィン包埋組織切片を用い, CIN, 浸潤性扁平上皮癌における GLUT-1 の発現を検討した.<br>成績: 細胞診での GLUT-1 陽性率は, CIN1: 0%, CIN2: 40%, CIN3: 100%, 浸潤性扁平上皮癌: 100%. CIN2, 3 についての発現細胞をタイプ別にみると CIN2 では, 中層, 傍基底型異型細胞のそれぞれにみられ, CIN3 では主に傍基底型異型細胞に認められた. 浸潤性扁平上皮癌では, ほぼすべての腫瘍細胞に発現を示していた. 一方, 組織学的にみた CIN の GLUT-1 発現部位は増殖帯にほぼ一致し, CIN1: 基底側 1/3, CIN2: 基底側 1/2, CIN3: 上皮内全層に発現を示していた. 浸潤性扁平上皮癌では, 癌真珠および顕著な角化細胞以外, すべてに発現が認められた. Koilocytosis を伴う CIN についてもおおむね増殖帯に一致した発現を示していたが, 一部の症例では表層近傍に及ぶ koilocytes に GLUT-1 発現が認められた.<br>結論: 子宮頸部領域における GLUT-1 発現は, CIN から浸潤癌へと進行するに従い, おおむね異型細胞に一致して増加が認められ, 病変の進行度を予測する指標になると考えられた.

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