ダウン症に合併した縦隔原発型胚細胞腫瘍の一例

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タイトル別名
  • A case of mediastinal germ cell tumor associated with Down syndrome

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抄録

縦隔型胚細胞腫瘍を発症したダウン症の1例を報告する.症例は20代後半の男性.ダウン症の経過観察中に胸部異常陰影を指摘された.胸部CTにて前縦隔に9.0×7.0×5.0cmの腫瘍を認め,CT下針生検所見から胚細胞腫瘍と診断した.術前化学 治療(BEP)を2コース施行後,胸骨正中切開・拡大胸腺全摘術・心膜合併切除術を施行した.病理組織所見ではセミノーマと奇形腫の混合型胚細胞腫瘍と診断された.大部分が化学治療によって変性していたが,一部にviableな成熟奇形腫成分を認めた.現在治療後4年経過し腫瘍の再発を認めていない.縦隔型胚細胞腫瘍はクラインフェルター症候群の合併が報告されているが,検索した限りダウン症に合併した報告はなく,貴重な症例と考えられた.

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参考文献 (22)*注記

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