盛岡市における地理情報システム発展過程の考察

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  • モリオカシ ニ オケル チリ ジョウホウ システム ハッテン カテイ ノ コウサツ
  • A study of the evolution of the Geographical Information System in Morioka City

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抄録

阪神・淡路大震災を契機として、都道府県や市町村といった地方自治体では、地図を用いる部署を中心として地理情報システム(GIS)が普及してきた。先行研究において、その利用動向の調査は行われてきたが、情報システムの発展過程の視点からGISを分析した研究事例は少ない。そこで、本報告では、岩手県盛岡市が導入してきたGISを事例として、ノーランが提唱している情報システム発展のステージ理論に基づくGIS発展過程の考察を行った。その結果、盛岡市におけるGISの発展過程は、ノーランのステージ理論を用いて的確に説明できることがわかった。特に、盛岡市の庁内コンピュータネットワークの整備により、大きく発展を遂げたことが明らかになった。また、盛岡市が2006年に運用を開始した1/500大縮尺基本図をベースとした統合型地理情報システム(統合型GIS)に現状を整理し、2つの課題を明らかにした。1点目の課題は、行政において最も重要な業務のひとつである政策立案で活用事例が少ないことである。2点目の課題は、住民参加型のGIS活用が進んでいないことである。これらの課題を解決するためには、今後その形成が期待される高度空間情報社会の実現に伴う統合型GISの新たな利用形態の考察が必要である。そこで、時空間統合型GIS、住民参加型GIS、ユビキタスGISの3つのテーマに着目し、ステージ理論の段階IV(成熟期)における統合型GISの新たな利用可能性について提案を行った。

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