V-Pシャントを有する二分脊椎患者に対する消化管利用膀胱拡大術の周術期管理

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of Perioperative Management and Surgical Procedures of Augmentation Cystoplasty in Patients With Spina Bifida and V-P Shunt
  • V Pシャント オ ユウスル 2ブン セキツイ カンジャ ニ タイスル ショウカカン リヨウ ボウコウ カクダイジュツ ノ シュウジュツキ カンリ

この論文をさがす

抄録

【目的】二分脊椎患者に対する消化管利用膀胱拡大術は広く行われている.しかし脳室-腹腔シャント(V-Pシャント)を有する患者では,重篤な合併症としてV-Pシャント感染がある.消化管や尿路を開放する手術ではその予防が重要となるが,周術期管理は施設によって異なっている.今回われわれは自験例について,V-Pシャント感染率と周術期管理を検討したので報告する.【方法】対象は2005年1月から2007年3月に消化管利用膀胱拡大術を施行したV-Pシャントを有する二分脊椎患者6人.全例術前のシャント変更は行っていない.再建材料は回腸5人,S状結腸1人.手術時平均年齢は13歳(5〜17歳),平均観察期間は1年9か月(10か月〜3年).術後V-Pシャント感染率,術前尿路感染の有無,腸管洗浄の方法,抗菌剤の種類・投与期間,手術手技,ドレーン留置方法と期間,培養結果について検討した.【結果】V-Pシャント感染は1例もなかった.手術1か月前は6人中5人で尿培養陽性であったが,抗菌剤投与により執刀前の培養は全例陰性であった.全例ニフレック^[○!R]による腸管洗浄を行った.非経口広域抗菌剤を術12時間前から術後最長3日間投与,その後経口抗菌剤の予防投与に変更した.腸管の切離,吻合には自動吻合器を用いドレーンは術後3日以内に抜去した.術後のドレーン,尿培養は陰性であった.【結論】V-Pシャント感染率は0%であった.V-Pシャントを有する二分脊椎患者に対する消化管利用膀胱拡大術前のV-Pシャント変更は基本的に不要と考えた.V-Pシャント感染予防にはドレーンの早期抜去と術前の尿路感染のコントロールが重要と考えた.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (14)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ