二分脊椎患者に対する消化管利用膀胱拡大術の周術期管理 : 入院期間を短縮し患児のストレスを軽減するための工夫

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タイトル別名
  • Evaluation of Perioperative Management of Augmentation Cystoplasty in Patients With Spina Bifida : Safety and Efficacy of Modified Management
  • 二分脊椎患者に対する消化管利用膀胱拡大術の周術期管理--入院期間を短縮し患者のストレスを軽減するための工夫
  • 2ブン セキツイ カンジャ ニ タイスル ショウカカン リヨウ ボウコウ カクダイジュツ ノ シュウジュツキ カンリ ニュウイン キカン オ タンシュクシ カンジャ ノ ストレス オ ケイゲンスル タメノ クフウ

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抄録

【目的】導尿や抗コリン剤などの内科的治療に抵抗する二分脊椎患者に対して消化管利用膀胱拡大術は広く行われている.しかし,入院期間が他の手術に比べて長く患者はストレスを受けていると考えられる.今回我々は入院期間を短縮するために周術期管理を工夫し,合併症の有無,入院期間短縮の成否を検討したので報告する.【方法】対象は2004年6月から2007年3月に消化管利用膀胱拡大術を施行した二分脊椎症患者13人.膀胱拡大に用いた材料は回腸12人,S状結腸1人.術後平均観察期間は1年11か月(8か月〜3年5か月).入院を継続した群(Group 1)とカテーテル留置のまま早期退院した群(Group 2),入院前に自宅で逆行性洗腸を行った群(Group 2a)と行わなかった群(Group 2b)に分け,入院日数,経口水分摂取開始までの日数,創感染,消化管合併症の有無について比較した.【結果】総入院期間ではGroup 1は27日,Group 2は17.7日と再入院期間を含めても早期退院した方が総入院期間は約10日短縮された.Group 2aとGroup 2bの経口水分摂取開始はそれぞれ2.25日目と3.25日目,総入院日数は14.8日と20,75日であった.創感染は1例も認めなかった.消化管合併症は術後急性胃粘膜病変を1例認めた.縫合不全,腸閉塞,V-Pシャント感染は1例も認めなかった.【結論】入院前に自宅で逆行性洗湯を行い術前日に入院し湯洗浄を施行する術前管理,術後早期にカテーテル留置のまま退院させ,導尿や洗腸指導のため再入院させる術後管理は患者にとって安全であり,入院期間短縮に有用であった.

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