アナフィラキシーおよびアドレナリン投与の適応に関する意識調査

  • 今井 孝成
    独立行政法人国立病院機構相模原病院小児科
  • 杉崎 千鶴子
    独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー疾患研究部
  • 海老澤 元宏
    独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー疾患研究部

書誌事項

タイトル別名
  • INVESTIGATION ON THE USAGE AND PRESCRIPTION OF ADRENALINE SELF-INJECTOR AGAINST ANAPHYLAXIS
  • アナフィラキシー オヨビ アドレナリン トウヨ ノ テキオウ ニ カンスル イシキ チョウサ

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抄録

【背景】わが国では2005年にやっと小児を含めたアナフィラキシー(以下An)全般に対してアドレナリン(以下Ad)自己注射薬が処方できるようになった.An対策が国際的に遅れるなか,我が国の医師のAnに対する認識不足の傾向があると考えられる.【対象,方法】平成17年即時型食物アレルギー全国モニタリング調査の協力医師1196名を対象に行った.調査項目をAd自己注射薬処方医登録の有無,処方経験,処方対象とする適応,およびAdを投与するタイミングとして,平成18年1月に行われた.【結果】707名より返信が得られ,Ad自己注射薬の処方登録医は443名(62.7%)であった.このうち処方経験者は209名(47.3%)であった.全例処方対象とすべき,"Anショックを繰り返すもの"であっても,必ず処方する医師の割合は88.0%であり,"Anの既往があるもの"に関しては41.6%であった。医師のAd投与のタイミングとして,"循環器症状"を伴う場合が93.7%,"気道粘膜症状"が79.4%,"呼吸器症状"が56.6%であった.【考察】Ad自己注射薬の導入から日が浅く,我が国におけるAnに対する認識も十分でないことが明らかになった。今後AnやAd(自己注射薬を含む)に関する啓発を強く勧める必要性が示唆された.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 57 (6), 722-727, 2008

    一般社団法人 日本アレルギー学会

参考文献 (13)*注記

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