脳血流SPECTとMRI-FLAIRの変化が脳波のPLEDsと一致した非けいれん性てんかん重積状態の一例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case with Prolonged Non-convulsive Status Epilepticus that the Changes of FLAIR MR Imaging and IMP-SPECT Associated with the PLEDs Focus

この論文をさがす

抄録

強直間代発作重積後に急速に認知障害が進行し、4カ月間にわたるもうろう状態の診断で、転院してきた症例を経験した。P3、O1、T5に頻発する鋭波、左posterior quadrant中心のPLEDs、またF3、C3を起始とする発作波などの多彩なてんかん性異常波が記録され、部分発作が頻回に出現していたことから、このもうろう状態は非けいれん性てんかん重積状態(NCSE)と診断した。MRI検査では左半球後部の広い範囲にFLAIR画像で高信号の領域を認め、またSPECTでは同部位の血流増加が見られたが、これらの部位はPLEDsの出現部位とほぼ一致していた。抗てんかん薬の調整により非けいれん性てんかん重積状態は消失し、脳波所見、MRI、SPECT所見も改善が認められた。本症例の可逆性のFLAIRの高信号は、てんかん発作が遷延したことによって焦点近傍の皮質に浮腫が生じた結果、出現していたと推測した。NCSEの診断と経過観察におけるMRIのFLAIR法とSPECTの有用性と限界について考察した。<br>

収録刊行物

  • てんかん研究

    てんかん研究 26 (1), 41-49, 2008

    一般社団法人 日本てんかん学会

参考文献 (32)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ