ガ類の聴覚情報戦略―愛と死の超音波をめぐって

  • 高梨 琢磨
    森林総合研究所 森林昆虫研究領域
  • 中野 亮
    東京大学 大学院農学生命科学研究科 応用昆虫学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • ガルイ ノ チョウカク ジョウホウ センリャク アイ ト シ ノ チョウオンパ オ メグッテ

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抄録

ガ類において聴覚は,コウモリによる捕食の回避や種内の音響交信をおこなう上で重要である.大部分の種は,ヒトが感知できない超音波に対して,感受性のある鼓膜器官を聴覚受容器として持つ.本稿では,ガ類における聴覚系の特性を,鼓膜器官の構造・機能及びそれらの多様性について解説する.聴覚が司るガ類のユニークな行動である,コウモリの発する「死」の超音波からの回避と,「愛」の超音波による種内交信について,生理・生態から進化的背景までの知見を解説する.

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参考文献 (27)*注記

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